逮捕される?されない?アダルト作品の違法アップロード「刑事」と「民事」のリアル

「逮捕されるのか?」という不安は、違法アップロードに関わってしまった方が最初に抱く疑問です。本記事では、著作権侵害における刑事と民事の違いを一般論として整理し、意見照会書の意味や示談・和解の位置づけについて解説します。
重要な注意事項
本記事は一般的な法律解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。具体的な判断については、必ず面談でのご相談をお願いします。
著作権侵害の「刑事」と「民事」の違い(一般論)
刑事事件
- • 国家が処罰を行う手続き
- • 逮捕・起訴・刑罰の可能性
- • 警察・検察が主体
- • 被害届・告発が契機
- • 罰金・懲役刑の可能性
民事事件
- • 当事者間の損害賠償等
- • 金銭的解決が中心
- • 著作権者が主体
- • 発信者情報開示が契機
- • 損害賠償・差止請求
刑事化の典型要素(悪質性・反復性など/断定は避ける)
著作権侵害が刑事事件に発展するかどうかは、個別の事情により判断されます。一般的に以下のような要素が考慮されることがありますが、これらがあれば必ず刑事事件になる、ないから大丈夫ということではありません:
- 行為の悪質性・組織性
- 反復継続性・常習性
- 被害の規模・社会的影響
- 営利目的の有無
- 反省の態度・協力姿勢
意見照会書はどのフェーズの話か(民事対応の入口)
意見照会書は、発信者情報開示請求という民事手続きの一環で送付される書面です。これは刑事手続きではありません。
著作権者やその代理人が、民事上の責任追及(損害賠償請求等)のために、あなたの個人情報の開示を求めている段階です。この時点では、刑事事件としての捜査は行われていません。
刑事リスクを過度に恐れないための着眼点
冷静な対応のために
- • 意見照会書は民事手続きの書面であり、逮捕状ではない
- • 多くのケースが民事での解決(和解・示談)に至っている
- • 適切な対応により、刑事化を避けられる可能性がある
- • 過度に恐れず、正確な情報に基づいて判断することが重要
民事での解決パターン(交渉・和解・訴訟)
民事事件では、以下のような解決パターンがあります:
1直接交渉・示談
当事者間または代理人同士で損害賠償額等を交渉し、示談書を作成して解決。最も迅速で費用負担が少ない方法。
2調停・和解
裁判所の調停制度を利用したり、訴訟中に和解により解決。第三者が介入することで、より客観的な解決が期待できる。
3訴訟判決
和解が成立しない場合、裁判所が判決により損害賠償額等を決定。時間と費用がかかるが、法的に確定した解決となる。
反省の意思表示と過剰請求への向き合い方
適切な反省の意思表示は、解決に向けて重要な要素です。しかし、過剰な請求に対しては、法的根拠に基づいた適切な反論も必要です。
適切な対応
- • 事実に基づく誠実な対応
- • 適切な謝罪と反省の表明
- • 再発防止の具体的措置
- • 合理的な解決案の提示
過剰請求への対応
- • 損害額の根拠の確認
- • 相当性の検討
- • 類似事例との比較
- • 法的根拠に基づく反論
よくある質問
「警察から連絡が来たら?」
警察から連絡があった場合は、刑事事件として扱われる可能性があります。任意での事情聴取であっても、必ず弁護士に相談してから対応することをお勧めします。
黙秘権の行使や、弁護士の立会いを求める権利があることを理解しておくことが重要です。
「示談書には何を書く?」
示談書には、損害賠償額、支払方法、謝罪文言、再発防止の約束、清算条項(今後一切の請求をしない旨)などを記載します。
示談書の内容は将来にわたって効力を持ちますので、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
「家族にバレずに解決できる?」
弁護士に依頼することで、連絡窓口を弁護士事務所に一本化し、プライバシーを保護しながら解決を図ることができます。
ただし、家族が契約者の場合など、完全に秘匿できない場合もありますので、具体的な状況について相談が必要です。