対応方法

これからどうなるのか 意見照会書・開示通知書が届いた後の流れ

プロバイダから「発信者情報開示に係る意見照会書」が届いた。
あるいは、「発信者情報を開示する」「開示命令が発令された」といった通知が届いた。

突然このような書類が届くと、とても不安になると思います。

「もう相手に名前や住所が知られているのか」 「すぐ裁判になるのか」 「今すぐお金を払わないといけないのか」 「家族に知られるのではないか」

そう感じるのは自然なことです。

大切なのは、慌てて支払ったり、見なかったことにして放置したりすることではありません。

いま届いている書類がどの段階のものなのかを確認し、その段階に合った対応をすることです。

書類が届いた後の、一般的な流れ

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意見照会書が届く

プロバイダから。相手方はまだ 氏名・住所を把握していない

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開示通知書が届く

開示命令や開示通知。 手続が進んだ段階

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法律事務所から通知書

損害賠償請求や示談の通知。 金額が書かれている

裁判所から書類が届いている場合は、この記事で説明する通知書とは意味が違います。提出期限や期日が定められていることがあるため、後回しにせず早めに確認してください。

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まず、書類の名前を確認してください

トレント案件で届く書類は、名前が似ていて分かりにくいことがあります。

ただ、大きく分けると、次のような流れで進みます。

最初に多いのが、プロバイダから届く意見照会書です。

これは、権利者側がプロバイダに対して、「このIPアドレスを使っていた契約者の氏名・住所を開示してほしい」と求め、プロバイダが契約者に対して「開示してよいか」「反対する理由はあるか」を確認している書類です。

この段階では、通常、相手方はまだ契約者の氏名・住所までは把握していません。

次に、開示通知書や、開示命令が発令された旨の通知が届くことがあります。

これは、プロバイダが相手方に情報を開示する、または裁判所の手続で開示命令が出た、という段階に関する書類です。書類の名前はプロバイダによって少し違いますが、意見照会書よりも手続が進んだ段階であることが多いです。

その後、権利者側の法律事務所から、損害賠償請求や示談の通知書が届くことがあります。

なお、裁判所から書類が届いている場合は、この記事で説明する通知書とは意味が違います。提出期限や期日が定められていることがあるため、後回しにせず早めに確認してください。東京地方裁判所も、発信者情報開示命令事件では、申立て後に申立書の写しが相手方に送付される手続などを案内しています。

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意見照会書が届いた段階

意見照会書は、まだ「損害賠償を支払え」という書類ではありません。

プロバイダから、

「あなたの氏名・住所を相手方に開示してよいですか」 「開示に反対する理由はありますか」

と確認されている段階です。

現在の発信者情報開示請求は、正式には「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」、一般には情報流通プラットフォーム対処法と呼ばれる法律に基づく手続です。以前はプロバイダ責任制限法と呼ばれていました。

ここで大事なのは、回答しないことが、直ちに開示への同意になるわけではないという点です。

ただし、回答しないまま期限が過ぎると、こちらの事情を伝えないまま、プロバイダ側で開示の判断が進むことがあります。

発信者情報開示関係ガイドラインでは、発信者から開示に同意しない旨の回答があった場合だけでなく、一定期間、具体的には二週間が経過しても回答がない場合にも、プロバイダが請求者側の資料に基づいて権利侵害が明らかかどうかの検討を開始するものとされています。

また、回答がない場合には、不法行為の成立を妨げる事情について、発信者が特段の主張をしないものとして扱う旨も記載されています。

つまり、意見照会書を放置すると、

「自分は使っていない」 「家族が使った可能性がある」 「対象作品に心当たりがない」 「特定方法に疑問がある」

といった事情を伝えないまま、手続が進んでしまうことがあります。

特に注意したいのが、家族や同居人の利用可能性です。

国民生活センターも、プロバイダから意見照会書が届いた場合、家族などがファイル共有ソフトを利用していた可能性があるため、心当たりがない場合でも無視せず、家族など端末を共用している人に確認するよう案内しています。

心当たりがないときほど、すぐに「やっていません」とだけ答えるのではなく、まず家族や同居人、共用端末、過去に使ったパソコンなどを確認することが大切です。

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意見照会書に回答した後はどうなるか

意見照会書に回答した後、すぐに結論が出るとは限りません。

大まかには、次のような流れになります。

まず、プロバイダが、権利者側から出された資料と、こちらの回答内容を確認します。

そのうえで、開示するか、開示しないかを判断することがあります。 また、裁判所の発信者情報開示命令事件などの手続で、裁判所が開示を認めるかどうかを判断することもあります。

開示されない場合は、相手方に氏名・住所が伝わらず、少なくともその請求については先に進まないことがあります。

一方で、開示される場合は、相手方に契約者の氏名・住所が伝わります。 その後、相手方の法律事務所から損害賠償請求や示談の通知書が届くことがあります。

ここで大事なのは、開示されたことと、損害賠償額が確定したことは別という点です。

氏名・住所が開示されたとしても、それだけで相手方の請求額をそのまま支払う義務が確定するわけではありません。

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開示通知書が届いた段階

「発信者情報を開示しました」 「開示命令が発令されました」 「発信者情報を開示する予定です」

このような通知が届くと、かなり不安になると思います。

開示通知書が届いた場合、相手方に氏名・住所が伝わる、またはすでに伝わった可能性があります。 そのため、次に相手方の法律事務所から通知書が届くことが予想されます。

もっとも、開示通知書が届いたからといって、直ちに裁判になるわけではありません。 また、相手方から通知が来たとしても、そこに書かれている金額をそのまま支払わなければならないと決まったわけでもありません。

この段階で確認すべきなのは、次のような点です。

どの権利者の件なのか。 どの作品の件なのか。 いつの通信についての開示なのか。 今後、別の作品や別の権利者から追加で請求が来る可能性があるのか。 通知書が届いた場合、支払う、交渉する、低額和解を目指す、一定期間様子を見る、どの方針が現実的なのか。

開示通知書は、とても不安になる書類です。 ただ、ここで慌てて相手方へ電話をしたり、よく分からないまま支払いを約束したりする必要はありません。

まずは、書類の写真を残し、期限や相手方を確認してください。

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法律事務所から通知書が届いた場合

氏名・住所が開示された後、権利者側の法律事務所から、損害賠償請求や示談を求める通知書が届くことがあります。

この通知書には、対象作品、請求額、支払期限、示談条件などが書かれていることがあります。

この段階で大切なのは、通知書に書かれた金額が、当然に確定した金額ではないということです。

相手方がその金額を求めている、という意味ではあります。 しかし、実際にいくら支払うべきか、そもそも支払うべきか、どの範囲で和解するのかは、別に検討する必要があります。

また、トレント案件では、1社からの通知で終わらないことがあります。 別の作品、別の権利者、別の法律事務所から、後日追加で通知が届くこともあります。

そのため、1件だけを見て高額な示談をしてしまうと、後から別の請求が来たときに、また同じ不安を抱えることがあります。

和解をする場合には、金額だけでなく、次の点を確認することが大切です。

どの作品について解決するのか。 どの権利者との関係で解決するのか。 将来の請求をしないという約束がどこまで入るのか。 別の権利者からの請求は残るのか。

通知書が届いたからといって、すぐに支払う必要があるとは限りません。 ただし、放置してよいという意味でもありません。

まずは、請求額、対象作品、相手方、期限を確認してください。

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書類が届いたら、まずやること

書類が届いた直後にやることは、それほど多くありません。

まず、封筒と書類を捨てないでください。 封筒には、差出人や到着時期を確認するための情報が残っていることがあります。

次に、回答期限や支払期限を確認してください。 意見照会書の場合は、期限までに回答するかどうかを検討する必要があります。 通知書の場合も、相手方が期限を区切っていることがあります。

そして、書類の写真を撮ってください。 特に、表紙、回答期限が分かるページ、相手方の名前、対象作品、請求額が分かるページが重要です。

心当たりがない場合は、家族や同居人が利用していないか確認してください。 共用のパソコン、古い端末、外付けハードディスク、家族が使っているパソコンなども確認した方がよいことがあります。

反対に、すぐにしない方がよいこともあります。

相手方の法律事務所へ感情的に電話すること。 内容をよく分からないまま開示に同意すること。 通知書に書かれた金額をそのまま支払うと約束すること。 慌ててパソコンやスマートフォンを初期化すること。 家族に確認しないまま「身に覚えがありません」とだけ回答すること。

これらは、後から対応を難しくすることがあります。

不安なときほど、まず書類を残し、期限を確認し、落ち着いて次の対応を考えることが大切です。

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まとめ

意見照会書や開示通知書が届くと、とても不安になると思います。

ただ、書類が届いたからといって、今日すぐにすべてが決まるわけではありません。

まず確認すべきなのは、書類の種類、期限、相手方、対象作品、請求額です。

意見照会書の段階なら、開示に同意するか、反対するかを考える必要があります。 開示通知書の段階なら、今後、相手方から通知書が届く可能性を見据える必要があります。 法律事務所から通知書が届いた段階なら、請求額や和解範囲を確認する必要があります。

不安なときほど、慌てて支払う必要はありません。 反対に、見なかったことにして放置するのもおすすめできません。

書類が届いたら、まずは封筒と書類を保管し、期限を確認し、写真を撮ってください。

当事務所では、トレント関連の初回相談を無料で受け付けています。 書類の写真を送っていただければ、弁護士が直接確認し、いまどの段階なのか、急いで対応すべきなのか、どのような方針が考えられるのかを確認します。

参考資料

  • 情報流通プラットフォーム対処法ガイドライン等検討協議会「発信者情報開示関係ガイドライン」
  • e-Gov法令検索「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」
  • 国民生活センター「プロバイダ事業者から『発信者情報開示に係る意見照会書』が届いた場合のFAQ」
  • 東京地方裁判所「発信者情報開示命令申立て」

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